仕事の話をする前に、おすすめのおにぎりの具を聞いてみる。梅、昆布、明太子に、卵の黄身の醤油漬け。天むすやサツマイモの炊き込みご飯まで登場した自己紹介から、10月のまほろば例会は始まりました。
会場は、奈良の悟カフェ。10月28日の2時間には、笑って話す時間も、相手の仕事をじっくり聴く時間もありました。さらに、専門家同士で奈良のシニアの暮らしをどう支えるかを考えるミニセミナーへ。身近な食べ物の話から、地域のこれからの話へ進んだ一日です。
梅派も、天むす派も。
好きなものを話すと、人が見えてくる。
自己紹介で話すのは、名前や仕事だけではありません。この日のお題は、おすすめのおにぎりの具でした。定番の具にうなずいたり、意外な組み合わせに関心を寄せたり。短い紹介の中にも、それぞれの好みが表れます。
サービスの説明なら準備が必要でも、好きな食べ物なら自分の言葉で話せる。目の前の人がどんな人なのかを知る、小さな手掛かりになります。奈良にちなんだクイズも加わり、会場には仕事以外の話題から入れる時間がありました。

その後のテーブル商談では、それぞれが何をしているのか、どんなことで力になれるのか、どんな人とつながりたいのかを共有しました。資料を広げ、相手の仕事をもう少し詳しく聴いていきます。
自分のお客様になってくれるか、という視点だけでは、見えないつながりもあります。知り合いに必要としている人はいないか。違う分野の仕事と組み合わせたら、何ができそうか。相手を知るほど、考える対象が自分の仕事の外へ広がっていきます。

返事を待つ時間にも、
相手との関わり方が表れる。
仕事の連絡をしたのに、相手から返事が来ない。催促したほうがいいのか、それとも待ったほうがいいのか。今回の対話のワークは、そんな身近な場面を題材にしました。
カーネギーの『人を動かす』をもとに、相手の事情を理解しようとすること、責めるだけのやり取りにしないこと、これからどう進めるかを考えることを話し合いました。一方で、自分の仕事や立場も大切にする必要があります。
ただ相手に合わせればよい、という話ではありません。相手の状況を知ろうとしながら、自分が必要としていることも伝える。毎日の連絡や打ち合わせに、そのまま持ち帰って考えられるテーマでした。
施設が決まっても、家は残る。
暮らしの相談は、一つで終わらない。
ミニセミナーを担当したのは、丹羽篤蔵さんです。テーマは、専門家同士のつながりを、奈良のシニア支援にどう活かすかということでした。
たとえば、一人暮らしの高齢の方が介護施設への入居を考える場面。施設を選ぶだけでなく、今まで住んでいた家をどう管理するか、財産の管理をどうするか、相続や終活をどう考えるかと、複数の相談が重なります。

それらすべてに、一人の専門家が対応するのは難しい。まず話を受け止める窓口があり、必要に応じて別の専門家や地域の支援へつないでいく。セミナーでは、そのような連携の仕組みを考えました。
参加者からは、窓口が担う役割や、行政との連携についての質問も出ました。仕事のつながりは、サービスを紹介し合うためだけにあるのではありません。目の前の相談に、自分一人では答えられないとき、次につなげる人を知っている。そのことも、地域で働く人同士が出会う意味になります。

仕事の話をした相手と、
今度は拍手を送り、食卓を囲む。
10月生まれの方をお祝いする時間には、みんなで拍手を送りました。仕事の得意を知るだけでなく、一人の人としてお祝いする。例会の中にある、もう一つの交流です。

例会後は、希望者で悟カフェのランチ懇親会へ。いろいろな小鉢を囲みながら、例会では聞き足りなかった仕事の話や、普段の暮らしの話を続けました。プログラムの時間とは違うペースで、言葉を交わせる場です。

おにぎりの具から始まった会話が、仕事の相談へ、地域の暮らしの話へ。そして、食卓の会話へ。10月の例会では、相手を知る入口がいくつもありました。
出会ったその日に、すべてが仕事になるわけではありません。まず一人の仕事を覚えること、必要としている人を思い浮かべること、改めてゆっくり話すこと。次の例会でも、そんな小さな関わりから、ご縁を育てていきたいと思います。
次の例会の参加案内を見るこのレポートは開催当日の様子です。日時・会場・参加条件は回ごとに異なります。
